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名護市庁舎
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現名称:名護市役所本庁舎
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カテゴリー:公共サービス
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設計:象設計集団、アトリエモビル
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施工:仲本工業
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竣工年:1981
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所在地:
沖縄
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名護市庁舎は、地域での議論を経て二段階・公開設計競技方法で実施され、308 作品の中から、Team Zoo 象設計集団が一席となり実現した。1972 年の沖縄返還以降、急速に開発整備が進む中、象設計集団は 1971 年のアトリエ設立以来、名護市を含むヤンバル地域での市民と交流しながら進めた多数の調査や提案の実績を生かした結果、ポストモダンの潮流の中で地域主義に根ざした庁舎として高く評価され日本建築学会賞を受賞した。市民との交流の場であるアサギテラスが段丘状にまちなみから連続して設けられ、風土を活かした自然換気や、地場のブロックの型枠利用等の風土と地域の利活用だけでなく、失われつつあったシーサーの 56 人の職人による 56体のシーサーが名護湾側に設けられ、沖縄の伝統文化をも表出していた。森の樹林の中にいるか
のような空間性やスロープ等、空間的な魅力にも満ちている。日本の高度成長期に、市民主体の地域風土を活かした庁舎建築として一石を投じた貴重な作品である。
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docomomo選定年度:2023