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岡山市立オリエント美術館
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カテゴリー:展示
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設計:岡田新一設計事務所
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設計協力等:構造:大澤眞、須賀勇 空調:高砂熱学、大阪電気暖房 衛生:山陽技研、朝日菅工 電気:太陽電機工業、近畿電気工事、中国電気工事
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施工:竹中工務店・松本組建設
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竣工年:1979
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所在地:
岡山
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岡山市立オリエント美術館は、岡田新一が手掛けた美術館・博物館の最初の作品である。地元篤志家・安原真二郎氏が寄贈したコレクションを収蔵・展示する、オリエント専門の美術館である。施設の特徴は、中近東の風土に触発され、「塔」の概念を抽象化した吹抜け空間に表れている。相対する二枚の壁を重ね、積み上げる手法が用いられ、窓のない壁が空間を区切り、囲い込み、光を巧みに導き、反射させながら、精神的で重厚な空間を創出している。岡田は「抽象と細密」を設計の鍵とし、コンクリートの斫り仕上げや抜き型枠模様、天井の彩色タイルの模様、金属手摺のディテールなどが抽象に共存する細密の部分である。美術館竣工数年後、岡田はこの美術館を中心とした「天神山地域利用構想基礎調査」で、地域活性化のための試案を発表した。現在、岡田が設計した岡山県立美術館と共に、岡山カルチャーゾーンの芸術文化の発信地として重要な役割を担っている。