• no.291
  • 杉の森神社

    • 現名称:杉神社
    • カテゴリー:宗教
    • 設計:大成建設株式会社設計部(担当:吉家光夫、高杉敏、木村康宏)
    • 施工:不明
    • 竣工年:1955
    • 所在地: 鳥取
    • 杉神社は鳥取県智頭町の山林に位置し、全国的にも珍しい杉の精霊を祀る神社である。小規模な建築群と参道、境内などの外部空間による環境形成が特徴で、山林と調和しながらも地域のシンボルとして位置づけられている。境内奥には、より長い歴史をもつ滝と祠がひかえる。戦後、造林運動を推進していた智頭町議会議員の米井信次郎が、杉・檜への感謝の気持ちを捧げる場所が必要であると説き、私財を投じて杉の森神社の建設、周辺山林の買収、林道や参道の整備を行った。以上の歴史的背景は特筆できる。米井は当時の日本建築家協会理事長であった大岡實に依頼してコンペを実施し、吉家光夫(大成建設 設計部)の案を採用した。この案の象徴とも呼べる神殿(御神体)は、ひとつの格子が小さな杉の子を表し、シンボルとしての杉を形象化したものとされる。これは、重要文化的景観となる地域におけるモダニズム建築の意匠のあり方のひとつとして注目できる。また、鳥居、集会所、拝殿、神殿などの建築群の点在する参拝動線が、連続した空間として周辺環境や地形と呼応しながら一体となっていることでも高く評価できる。
    • docomomo選定年度:2025
    構造画像 a
    構造画像 b