• no.308
  • 八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)

    • カテゴリー:展示
    • 設計:村野・森建築事務所
    • 施工:諏訪土木建築(現:スワテック建設株式会社)
    • 竣工年:1979
    • 所在地: 長野
    • 八ヶ岳美術館(原村歴史民俗資料館)は、原村出身の彫刻家・清水多嘉示の作品寄贈を契機として、1980年に当時全国的にも珍しい村立美術館として開館した、村野藤吾晩年の美術館建築である。八ヶ岳連峰西麓の標高1,350mのカラマツ林の中に、既存樹を残しながら半円形平面と半球型ドームのヴォリュームを連続させて建つ。寒冷地での工期短縮を図るため、東京の工場で製作した重量11トン以下のプレキャスト・コンクリートのドーム屋根を現場で組み上げる合理的な施工が採用されたが、内部の長さ約40mの一続きの展示室には、PCドームの形状を活かしてレースカーテンを絞り吊りした天井が掛けられ、間接照明と自然光に満たされた包み込まれるような柔らかな展示空間を実現している。合理的な工業化生産と象徴的・装飾的な空間表現とを矛盾なく統合した本作は、設計時87~88歳であった村野藤吾の自在な造形思考が結実した晩年の傑作のひとつであり、また地域の彫刻家を顕彰し縄文時代の考古資料を併せて展示することで地域文化の拠点となるなど、日本の近代建築の地域的展開を示す重要な事例として2010年度にJIA25年賞を受賞している。
    • docomomo選定年度:2026