• no.296
  • つくばセンタービル

    • カテゴリー:複合
    • 設計:磯崎新アトリエ(磯崎新、藤江秀一、伊東孝、青木宏、渡辺誠)
    • 設計協力等:構造設計:木村俊彦構造設計事務所  設備設計:環境エンジニアリング
    • 施工:戸田・飛島・大木・株木建設共同企業体
    • 竣工年:1983
    • 所在地: 茨木
    • つくばセンタービルは、筑波研究学園都市の中心に位置し、その都市生活の豊かさに与してきた建築である。車道とペデストリアンデッキ(歩道)の5mに及ぶ高低差を計画的に解消するために中央を「フォーラム」(サンクンガーデン)とし、新たに計画された歴史的背景をもたない都市の表象として、あえて中心性を表現しないという手法を採った。このことは西洋建築の歴史的モティーフ(ルネサンス建築の3層構成、ジュリオ・ロマーノのルスティケーション、クロード・二コラ・ルドゥーのオーダー、ミケランジェロのカンピドリオ広場など)を引用し、これを直截でなく反転ないし断片でディスジャンクションに分散させることでも中心性を曖昧にさせることを企図した。こうした歴史的モティーフの表層的使用からポストモダニズム建築の代表事例として扱われてきたが、磯崎新の視座は歴史的モティーフを用いるために講じた理念にこそあった。1980年代を代表するのみならず、今日にポストモダニズム建築の歴史的評価を捉える上でも示唆に富む重要な建築である。
    • docomomo選定年度:2025
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