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大阪駅前第1ビル・大阪駅前第2ビル・大阪駅前第3ビル・大阪駅前第4ビル
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カテゴリー:複合
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設計:筆頭設計:大阪都市再開発局 東畑建築事務所(第1)、安井建築設計事務所(第2)、大建設計(第3)、東畑建築事務所(第4)
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施工:大林組(第1)、鴻池組・奥村組・錢高組・松村組共同企業体(第2)、竹中工務店・鴻池組共同企業体(第3)、鹿島建設・フジタ工業・浅沼組共同企業体(第4)
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竣工年:1965
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増築等:1965年5月〜1970年4月(第1)、1974年4月〜1976年10月(第2)、1976年12月〜1981年6月(第3)、1978年7月〜1983年3月(第4)
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所在地:
大阪
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大阪駅前第1・第2・第3・第4ビルは、最初期の市街地改造事業の成果として建設された高層ビル群である。大阪駅南側は大阪の玄関口としての景観が希求され、1935年に土地区画整理事業に着手したが、戦後の混乱期に木造の密集市街地が形成された。新たな市街地の開発手法として1961年に市街地改造法が公布施行され、大阪駅前地区は、その最初期かつ最大規模の都市改造事業の成果である。1962年4月に事業認可、第1ビルは東畑建築事務所が担当し、1970年に竣工、東畑が初期案として示した図に近い意匠を持つ。第2ビル(1976年竣工)は安井建築設計事務所、第3ビル(1981年竣工)は大建設計、第4ビル(1983年)は再び東畑建築事務所が設計を担い、四半世紀にわたる事業となった。その間に建築関連法規の改正があり、また先行工事から得られた知見も踏まえ、柔軟な変更が加えられ、4棟は高さやデザインがかなり異なる。一方、低層部は街区全体に広く構え、周縁にポルティコを設け、ゆとりある公共空間の創出を目指す点で共通する。地階は地下鉄駅や地下街と接続し、梅田新道側では地階や3階とも繋がる公開空地が設けられた。各棟3階には駐車場や車寄せが設けられ、第3の玄関口となっている。第1ビル、第3ビル北側に円形の昇降車路が設置され、3階レベルでビル間を往来できる。都市計画手法や建築関連法規の改正、建設技術の進展、そして時と共に変化するニーズに対応し、結果的に1棟ずつ異なる形状・意匠で、多様性があるまちなみが形成された。この点も大阪駅前ビル群の特色である。
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docomomo選定年度:2025