drugs online
registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
-
285
ファッションコミュニティ109渋谷(道玄坂共同ビル)(現:SHIBUYA109(道玄坂共同ビル))
- 設計監理:駒田知彦綜合計画事務所,設計:竹山実建築綜合研究所+駒田知彦綜合計画事務所
- 構造設計:山杞設計,施工:東急建設,大成建設,店舗施工監理:東急百貨店装工部,施設管理運営:ティー・エム・ディー
- 戦後のヤミ市の様相を色濃く残し,恋文横丁で知られる一角を,防災建築街区造成法に基づき再開発したファッションビル。東急グループが東急本店通りへの顧客誘導のため,道玄坂と文化村通りに分かれる商業動線上の要所であるY字路に商業施設を計画。駅側に空地や通り抜けを設けてイベントスペースや待ち合わせ場所とし,また渋谷駅に対峙する鋭角の頂点に円柱(シリンダー)を置きエレベーター・タワーとした。シリンダーの上端には機械室隠蔽を兼ねた広告塔が一体的に設けられることで高さがより強調されている。竣工後,このシリンダー壁面は当時流行り始めた「スーパーグラフィック」と呼ばれる建築スケールの広告を掲出する装置にもなり,道玄坂のランドマーク性を盤石なものにした。109の商業的成功は,設計者のデザイン力と東急グループの商業戦略,そして敷地内の一部開放によるにぎわいの創出が相まった結果であるという点で,都市における商業建築のあり方に一石を投じた。 外装を精緻な正方グリッドのアルミパネルで均質に覆うことにより,力強い造形でありながら,ブルータルなモダニズムの重量感から解き放ち,建築の外装における従前の意味を喪失させることに成功している。
- 1978
- 東京都渋谷区