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甲子園ホテル
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現名称:武庫川女子大学甲子園会館
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カテゴリー:宿泊
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設計:遠藤新
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施工:大林組
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竣工年:1930
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所在地:
兵庫
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阪神間の郊外住宅地、およびそれにともなうレジャー施設開発の一環として建設されたリゾート型ホテルで、商都大阪の迎賓館的機能をもちながらも新興住宅地に住まう新たな中間層の交流施設としての役割も果たした。都市の近代化とそれにともなう郊外の発展、社会生活の変容の足跡を残す歴史的な社会遺産といえる。また、日本に大きな関わりをもったフランク・ロイド・ライトの影響を受けた建築家遠藤新の代表作で、合理的、機能的な平面計画および設備計画が導入されながらも、二本の塔を強調したモニュメンタルな表現と石やタイルによる装飾表現が豊かで、日本の風土、伝統を近代建築に融合しようとする試みがなされている。ライトの「有機的建築」の思想を受け継いだ建築で、日本の近代建築の展開を振り返るうえで欠かすことのできない重要な現存作品といえる。大学の校舎として改修され使用されているが、オリジナルの主要な空間は復元されその建築的価値が設計者への敬意とともに継承されている点も特筆できる。
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文化財情報:登録有形文化財
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docomomo選定年度:2013
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登録有形文化財:2009