registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
-
239 MIDビル
- 前川國男建築設計事務所
- 清水建設
- 前川國男(1905~1986)により、戦後の復興とともにようやく自身の設計事務所(ミド同人)として東京・四谷に建設したのがこの建物である。そこでは自社ビルの利点を生かして「テクニカル・アプローチ」の一環ともいえる多くの実験的な試みがなされた。最大の空間を確保するため、最小限の柱と梁(ラーメンフレーム)だけを現場打の鉄筋コンクリートで施工 、床は厚さわずか40mmのプレキャスト・コンクリート板をはめ、壁は特注の二重構造のコンクリートブロックを積み、その上に、スチールサッシュによる水平連続窓を取り付けている。所長室は2階-3階の吹き抜け空間 となっており、1階にはピロティーが設けられている。ル・コルビュジエとアントニン・レーモンドに直接学んだ前川の求めた空間とディテールが凝縮されている。現在も前川に理解が有る者たちにより継承されており、日本の近代建築をリードした前川の現存する重要作品である。近代建築の「聖地」ともいえよう。
- 選定プレート贈呈済
- 1954
- 東京