registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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235 長岡市立互尊文庫
- 日本図書館協会施設委員会(吉武泰水、他)
- 渡長建設
- 近代合理主義の一つの側面を追究した建築の学問領域として、ビルディングタイプごとに使う側の観点から建築設計の基本データを築き上げていった建築計画学があるであろう。戦後に誕生し発展した日本の建築計画 学の対象として、比較的早い時代に取り組まれたのが図書館なるビルディングタイプである。この長岡市立互尊文庫は、それまで「書庫の延長」に過ぎなかった図書館を、「市民に貸し出す」ための器として、施設委員会 の専門家たちが徹底して利用者の合理性を追求して当敷地に合う形で実施したプロトタイプ公共図書館であ る。しかも現存現役最古の施設委員会設計の市立図書館である。戦後民主主義によりもたらされた地方都市の市民のための公共建築を率直に平面・断面で表現した、日本におけるモダンムーブメントの一つの表れとして、たいへん注目に値する作品であり、長岡市民に愛されているというローカルな範囲だけでなく日本の公共図書館の歴史にとって非常に重要な作品である。
- 1967
- 新潟