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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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- 五十嵐直雄
- 熊谷組
- 福井神社は、1943 年に幕末の福井藩主・松平春嶽を祀る最後の別格官幣社として、福井城址内堀に沿った境内に総ヒノキ造りの社殿で創建された。ところが終戦末期の空襲で全焼し、戦後 1948 年の大地震もあって再建は遅れた。1952 年の福井復興博覧会を経て市民生活の復興事業が落ち着いた頃、福井大学 助教授で地元出身の建築家・五十嵐直雄(1915 ~ 1987)が、同時期の明治神宮再建問題(木造vs.RC造)を考慮しつつ、あえて線と面の幾何学的構成手法(真壁の意匠)から神明造の伝統様式を革新し、全国初のRC造陸屋根の神社建築を同地に設計した。まず 1957 年に本殿と拝殿、翌年に大鳥居など次々と竣工し、約10年をかけて全8棟の社殿が、五十嵐の一貫したプロポーション重視の設計態度から境内のグリットに沿って整然と建ち並んだ。この後、福井市周辺には、同様のRC造陸屋根の社寺が30件以上も確認されている。福井神社は、福井市中心部に現存する最重要な戦後モダニズム建築作品であり、全体的に良好な保存状態である。
- 選定プレート贈呈済
- 1957~1966
- 福井県福井市