registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
-
264 田野畑中学校寄宿舎
- 早稲田大学穂積研究室
- 鉄建建設
- 田野畑村は、リアス式海岸の漁村から、高台の農業、牧畜業の村落まで、地域により多様な集落がある。漁村と山村の子供達が一同に介して学ぶことを目的につくられたのが田野畑村中学校とその寄宿舎で、穂積信夫の設計で1976年の日本建築学会作品賞を受賞した作品である。残念ながら、中学校校舎は建て替えられてしまったが、雑誌新建築の表紙を飾った寄宿舎は現存。寮室のユニットを左右に45度に開いていきながら上下にもずれ重ね、底部に共用空間が設けられ、その段上に並べたデザインは計画的、意匠的に革新的であった。現在はスクールバス通学に変わり、寄宿舎としての機能が不要となり、2010年前後から教育委員会の倉庫として使われている。地域住民にとっては、想い出の共同生活の場であり、2011年の震災時には寄宿舎にあった寝具が活用された。直線とコンクリート打放しで構成された美しいモダンムーブメントの一つで、穂積信夫の代表作である。
- 1976
- 岩手県下閉伊郡田野畑村