registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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163 瀬戸内海歴史民俗資料館
- 香川県建築課(山本忠司)
- 高岸工務店
- 正方形平面が中庭を中心に組み合わされて構成されており、コンクリート造壁の外部仕上げには、敷地造成の際、削り取った砕石が積み貼られている。また外回りの石垣や石敷きにも使われている。材料の選択に見られるように、地域性を意識した構成であり、1970 年代において、モダニズム建築の国際性への批判とした地域性、バナキュラー性が実現した建築である。 1950 年代後半から公共建築に丹下健三など中央の建築家を登用した、当時の香川県知事 である金子知事とともに、その設計活動を庁舎内からサポートした建築家山本忠司は、同じ四国愛媛、八幡 浜市役所建築課の松村正恒と同様な役割を高松に果たしているといえる。 40 年を経過しても、なお古びた感覚はなく、モダニズムの機能的、空間的明快さと材料や展示 内容における地域性がうまく解け合っており、モダニズムの成熟を感じさせる建築である。
- 1973年
- 香川