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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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- 山田守建築事務所
- 竹中工務店
- 1964年の東京五輪柔道会場として使用された。設計は日本のモダニズムを開拓した山田守(1894~1966)である。正八角形の平面は競技者と観客の最短距離を目指したもので、すり鉢状のスタンドと共に臨場感の獲得に成功している。屋根は富士山のシルエットを再現、頂上の擬宝珠を始め、各エレメントのデザインに日本古建築のボキャブラリーを表現しており、日本武道の精神をそれらに求め、鉄とコンクリートで表現している。断面を見ると半地下式になっており、競技者と観客の動線を分離している他、屋根の高さを抑えることで立地する北の丸公園の環境に馴染ませていることがわかる。現在は武道だけでなく、コンサート、入学卒業式、国家行事にも使われ、国民的施設となっており、最大の稼働率を実現している。2020年には建物のオーセンティシティに配慮した改修増築工事が行われた。建設当時の紙幣図案にもあった「法隆寺夢殿をモチーフにした」との言説が流布されているが、山田自身は述べてはいない。しかしスポーツ、芸能分野の到達目標を獲得した現代文化の重要な施設「聖地」と言われており、まさに「現代の夢殿」となっている。
- 1964
- 東京