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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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日本大学生産工学部図書館(現:日本大学図書館生産工学部分館)
- 大髙正人設計事務所
- 竹中工務店
- 日本大学図書館生産工学部分館は、高度経済成長期の日本の建築界をけん引した大高正人が、構造建 築家の木村俊彦とともに取り組んだ、PC コンクリートの可能性を最大限に生かした代表的な建築である。 既に取り壊されてしまった栃木県庁舎議会棟と同じ「空中架構形式」を採用している唯一の現存建築物で、 現場打された鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)の大架構の上に、工場生産によるプレファブリケーション(PC)部 材でくみ上げた 3 階部分を載せ、その下に 2 階部分を配置している。 生産性や施工性の追求と同時に日本建築の美しさを継承した柱・梁構造は日本の古建築を連想させる。 また、エントランスと書庫棟を中心とした左右対称性は、学びの中枢である大学図書館としての象徴性をも つ。 本建築は、大高が目指した「PAU」の P:プレファブリケーションの可能性の追求と A:アートアンドアーキテク チャーに求めた芸術性を実現している建物で、U:アーバニズムについても、将来的に大学キャンパスが地 域社会に還元された時のシンボルとして機能するように計画している。大高の一連の作品の中でも代表的 なものであると同時に、当時のコンクリート建築の先駆的事例として継承するに値する優れた建築である。
- 1973
- 千葉