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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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広島A.B.C.C.臨床研究所(原爆傷害調査委員会広島臨床研究所)(現:公益財団法人放射線影響研究所広島研究所)
- 初期計画設計:York and Sawyer設計事務所,設計変更Homer Pfeiffer
- 竹中工務店
- 原子爆弾の被爆影響調査を長期的に行うため設立された原爆傷害調査委員会(A.B.C.C.)の広島研究施 設。Quonset hut 式によるヴォールト状の建屋で,幅は一律 40ft(約 12m)とし,目的に合わせた長さの建屋 をフラットスラブの屋外通路で結ぶ。構造は混構造2階建で,基礎から2階床までを RC で造り,それを組立 式の鉄骨が覆う。資材統制・建築統制が続く占領下においてアメリカから調達された資材と,アメリカ式施工 品質管理法により,高品質かつ合理的な施工が行われた。各棟両妻面の RC シェルは,内藤多仲の助言に よる耐震補強である。1950 年に初期 5 棟が竣工し,その後数次の増築を経て1967年頃に現在の構成に なった。1953年に行われた最初の増築建屋 2 棟は,整備計画が中止された呉研究所の建設資材を転用 したとされる。施設の社会的意義はもとより,建築技術的にも貴重な事例である。被爆者の A.B.C.C.に対する 批判も含めて未来に託すべき遺産である。
- 1950 年 10 月初期計画 6 棟(A~F 棟)竣工,1953 年 G・H 棟増築竣工,以降 1967 年まで増築
- 広島