registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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191 岡山県庁舎
- 前川國男建築設計事務所
- 竹中工務店
- 岡山県庁は、日本の近代建築のパイオニアであった前川國男の設計作品であり、特に戦後日本建築の近代化を追求するために、「テクニカル・アプローチ」をテーマに建築の工業化・合理化を追求した時代の巨大なスチール製カーテンウォールと打ち放しコンクリートを対比させた外観と開放的な空間配置により民主的な庁舎を象徴する作品であり、モダンデザインの歴史的な価値が高いと評価される。さらに、岡山には天神山文化プラザ(旧岡山総合文化センタ、1962 年竣工)、林原美術館(旧岡山美術館、1963年竣工)の作品を残し、60年代以後の前川作品の変容への萌芽を示唆している。特に、前川は詩句碑も設計して、県庁舎復旧委員であった谷口久吉(文人・号は古杏)山陽新聞社長の句碑・ねむり塚を岡山藩池田家菩提寺曹源寺に、また詩人有本芳水の詩碑を後楽園に、明治期の慈善事業家で岡山孤児院の創設者石井十次記念碑を児童養護施設新天地育児院内に残し、前川國男と岡山の関係は深いものであった。
- 1957
- 岡山