registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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260 岡山市民会館
- 佐藤武夫
- 大本組
- 岡山市の中心部を流れる旭川に面した石山公園に隣接し、1963年に完成した建築音響学と公会堂の第一人者である佐藤武夫の初期の建築である。1718席の大ホール棟と10の会議室をもつ付属棟から構成され市民の文化芸術・娯楽活動の場となっている。佐藤は、市民会館と南側空地の奥に建っていたNHK会館(現存せず)、同時期に設計委託された山陽放送会館(1962年竣工)の三つの建物で取り囲む、噴水を中心にした石畳の広場を作り、ヨーロッパの都市の焦点となる「都市広場」を岡山の文化・芸術の中心に実現させた。付属棟は相対する山陽放送会館と高さとPC製中空ブロックによる外装を揃えて広場の統一性を強めている。直径42mの正八角形の大ホールは地上4階地下1階で、佐藤が試みてきたV字型断面の鉄筋軽量コンクリート構造である。ホワイエは壁面に彫られた吉岡堅二のレリーフと岩淵活輝のモザイクガラスが彩りを備えている。
- 1963
- 岡山県岡山市