registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
-
206 大阪府臨海スポーツセンター
- 槇総合計画事務所(槇文彦)
- 銭高組
- 本作は、1960年に結成された著名な建築運動体であるメタボリズムグループの一員であり、現在も世界的に活躍する建築家として知られる槇文彦の設計によって、1972年に大阪臨海部に完成したプール・アイススケート場、2つの体育館を包含する屋内運動施設である。作品としては、槇が後に手がける幕張メッセ(1989〜)や東京体育館(1990)といった大空間建築物の端緒にあたり、モダニズムがその統一性や合理性を捨て去ることなく、多様性や感性に働きかけることが可能であると示したものとして建築史的に貴重である。さらに特筆すべきは、2008年に当時の大阪府知事による行財政改革の一環で廃止が打ち出され、その後、改修費3億円の半分を民間で集めることが存続条件とされたが、市民による支援の会がそれを実現させ、今も活用されている事実であって、本作はわが国におけるモダニズム建築の深化と、モダニズム建築に対する理解の深化を例証している。
- 1972
- 大阪