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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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千住郵便局電話事務室(現:NTT東日本 千住ビル)
- 逓信省営繕課(山田守)
- 大倉土木(大成建設)
- 千住郵便局電話事務室の近代建築史上における価値は非常に大きく、特に次の3点が挙げられる。それは、日本初の近代建築運動である「分離派建築会」の主張を現す、数少ない現存建築として、また、ドイツ表現派の影響を見ることができ、モダンムーブメント受容期の日本建築界の様相の一端を伝えるものとして、さらに、当時我が国の一流の建築家達が集まっていた逓信省営繕課にあって、逓信建築の多様性や先進性を現すものとして、である。 晩年は日本武道館(1964)や京都タワービル(1964)など誰もが知る建築を設計した山田守だが、その若き日の挑戦的な作品として興味深い作品である。山田は1929~30年の渡欧時にル・コルビュジエらに面会するが、本建物の写真が最も褒められたとの逸話も残っている。外観は昭和初期に流行したスクラッチタイルとそれによって曲面で包まれたようなデザインが魅力的であり、交通利便性が高さからスクラップアンドビルトが進んだ北千住地域において、保存すべき貴重な歴史的建造物である。
- 1929
- 東京