registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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177 兵庫駅
- 鉄道省建築課(伊藤滋)
- 不詳
- 兵庫駅は、鉄道の高架線と駅舎が一体化して建設された鉄筋コンクリート造によるもので、内部に若干の古風なデザインを残すものの、抽象的な箱を組み合わせたモダニズムの方法による。後に、国鉄の建築においてモダニズムをリードした伊藤滋の設計によるものである。関東大震災を経て鉄筋コンクリート化が求められ、乗降客の増加により機能性を高めることが必要とされ、都市機能と共存するため高架化が進められていた中で完成した、モダニズムをよく実現した駅舎である。モダニズムの理念と方法を完全な形で実現した駅舎は、2 年後の 1932 年に竣工した御茶ノ水駅だと言えるが、残念ながら現在の御茶ノ水駅はほとんど当時の姿をとどめていない。当時の姿をよく残した現存する駅舎では、最もモダニズムの理念と方法を実現しているのが兵庫駅であると言える。
- 1930年
- 兵庫