drugs online
registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
-
195
京都大学創立70周年記念体育館 (現 京都大学総合体育館)
- 京都大学増田研究室(増田友也)
- 大林組
- 屋内運動施設としての内部空間の広さを確保するため大スパンが必要となるが、トラスを構成せず、鉄骨梁を用いることで解決している。この結果、天井面に軽快で独特な印象が与えられている。体育館東側正面の屋外階段と2階レベルで建物の3方向に巡らされているプラ ットホームは、この体育館が積極的に街に対して開かれていることを物語って いる。学生のみならず市民が自由に出入りできる場として提案されている。 景観的には、既存の周辺の街並みに調和させるのではなく、圧倒的な存在感とモニュメンタリティにより京都大学のシンボルとして厳然と建つことで、京大キャンパスとしてのこのエリアの雰囲気 をむしろ牽引、統率している。圧倒的な存在感とモニュメンタリティ、 「和」を意識した全体構成、彫塑的な作風など、本作品は、増田友也の建築・空間に対する考えが凝縮した作品であると同時に、日本におけるモダニズム建築としてもその高度な段階に達したものとして、彼の多くの作品が建て替えられ失われていくなか、後世に残していくべき重要な作品である。
- 1972
- 京都