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registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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- 山脇巌
- 永田建築事務所
- バウハウスに留学した山脇巌が帰国後、友人の画家三岸好太郎・節子夫妻のために設計したアトリエ。バウハウスなどで試みられていた、のちにインターナショナルスタイル(国際様式)と呼ばれることになるモダニズムの建築デザインの日本における代表的作例である。作品制作必要な大きな採光用ガラス窓のデザイン、白い箱型の幾何学的フォルム、鉄製螺旋階段をもつ二層吹き抜けの内部空間、などに特徴がある。 1920年代を彩った前衛美術運動の潮流を受け、山脇と三岸は設計者と施主という関係ながらあたかも共同設計のようなプロセスを経て、このアトリエの建設を実現していった。西欧における最先端の造形改革運動に敏感に反応した建築家、美術家たちによるモダニズム受容のプロセスと、昭和初期の日本における建築・美術の領域横断的な交流の足跡をたどることのできる貴重な作品である。 いくたびかの増改築を経て竣工時の姿は改変されてしまっているが、内部空間は往時の姿を髣髴させ、1930年代の日本におけるモダニズム建築の息吹を力強く伝えてくれている。この時期のモダニズム建築は現存するものがきわめて限られるため、その歴史的価値はますます重要度を増しているといえる。
- 選定プレート贈呈済
- 1934
- 東京