registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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222 タテシナクラブ山荘
- 武藤章
- 橋場建設
- この建物は、工学院大学の美術意匠部の卒業生と学生の有志たちの出資によって建設された別荘である。設計は工学院大学教授であり北欧の建築家A.アアルトに師事した武藤章である。北欧モダンの流れがサウナ文化といったライフスタイルとともに導入されている初期のものである。また、山の斜面側に大きな開口部とテラスを設け、反対側の見晴らしの良い斜面側に居場所としての腰窓を設けており、一般的な斜面に対する真逆の構成が特徴となっている。内部空間が山の斜面とテラスを通して連続するところは、建築と環境を一体と考えた有機的な思想によるものである。自然と向きあったこの建築の佇まいは、60年代に発展していくモダンリビングに対するオルタナティブとして重要な作品である。
- 1965
- 長野