registration 日本におけるモダン・ムーブメントの建築
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173 枚岡市庁舎(現 東大阪市旭町庁舎)
- 坂倉準三建築研究所大阪支所 西沢文隆 東孝光
- 三井建設
- 旧枚岡市庁舎は、鉄筋コンクリート造と打放しコンクリート仕上げに代表される構造技術や施工技術において当時最新の計画がなされ、精度の高い日本の技術的伝統がそれを具現化したものとして高い評価が与えられる。設計の背景には第二次世界大戦後の地方自治と高度成長の進展によって誕生した大都市近郊の市庁舎に求められる機能性と象徴性にいかに解答するかという課題があり、〈機能性〉を通じた〈象徴性〉、〈近代性〉を通じた〈地域性〉と要約できるオリジナリティは戦後日本社会の典型的な動向を反映している。設計は戦前・戦後のわが国におけるモダン・ムーヴメントを牽引した設計者の一つである坂倉準三建築研究所であり、中でも担当した大阪支所は独自の性格によって、その後の関西建築界に多大な影響を与えた。このように旧枚岡市庁舎は歴史的、文化的に高い価値を有するものであり、わが国におけるモダン・ムーヴメントの展開を理解する上で欠くことのできない建築である。
- 1964年
- 大阪