DOCOMOMO Japan は、「モダン・ムーブメントの建築」とともにある
豊かな未来を目指して活動しています。
docomomo について
docomomo(Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of theModern Movementモダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織) は、20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果および価値を調査・記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのフーベルト・ヤン・ヘンケット(当時アイントホーヘン工科大学教授 初代会長)の提唱により、1988 年に設立された国際学術組織で、近代建築史研究者、建築家、保存修復家、建築エンジニア、都市計画家、行政関係者などが参加しています。
1990 年にアイントホーヘン(アイントホーヘン工科大学)で第1回の国際会議(設立総会)が開催され、その後、組織は拡充され、2023 年現在、世界に79 支部があります。現在、ドコモモ本部はオランダのデルフトにあるデルフト工科大学にあり、会長には、Uta Pottgiesser 教授が2022 年から就任しております。
ドコモモは、参加各国におけるモダンムーブメントとその成果である近代建築、都市環境が有する多様性を尊重しつつ、2 年に1 度、テーマを掲げた国際会議と総会、各支部が主催となった独自のテーマに関するシンポジウムやセミナー、展覧会等の開催、機関誌であるdocomomo Journal の年2回の刊行を通じての保存に関連する情報提供、登録、技術、アーバニズム+ ランドスケープ・教育+ トレーニング、インテリア・デザイン、出版の6つの国際専門委員会による研究、議論などを実施し、モダンムーブメントの成果やその保存の重要性につい啓蒙活動を続けてきました。
特にこの15 年、欧米、アジアと世界中において、モダン・ムーブメントに関わる建築、いわゆる20 世紀の建築遺産が、その文化的価値が尊重されず、解体されたり改変されたりしている危機に瀕している状態にあります
一方、それらに抵抗するように、ル・コルビュジェの一連の作品が、2016 年には世界文化遺産として登録されており、20 世紀の建築遺産を「生き続ける遺産=リビング・ヘリティジ」としてその価値を共有していく動きがあります。ドコモモは、2014 年ソウルで開催された第13 回国際会議において採択されたdocomomoアイントホーヘン=ソウル宣言を遵守し、その活動を行っております。
docomomo アイントホーヘン・ソウル宣言
- モダン・ムーブメントの建築に関する重要性を、一般市民、行政当局、専門家、教育機関に広めること
- モダン・ムーブメントの建築作品の調査を進め、学術的価値を位置付けること
- モダンムーブメントの建築・環境群の保存とリユース(再利用)を推し進めること
- モダンムーブメントの貴重な建築作品の破壊と毀損に反対すること
- 保存とリユース(再利用)に対する適正な技術や手段の開発と専門知識の伝達を行うこと
- 保存とリユース(再利用)の調査のための基金の調達を図ること
- モダンムーブメントという過去の挑戦に基づいて形成された建築環境を、将来に継承すべく継続可能なものとして探求しながら、新しいアイデアを展開していくこと
これまでの国際会議の開催地・会場
回 | 開催年 | 開催国 | 開催地(会場) |
---|---|---|---|
第1回 | 1990年 | オランダ | アイントホーヘン(アイントホーヘン工科大学) |
第2回 | 1992年 | ドイツ | デッサウ(バウハウス) |
第3回 | 1994年 | スペイン | バルセロナ(ミース財団) |
第4回 | 1996年 | スロバキア | ブラスティラバ(スロバキア国立博物館)+スリアック(スリアックスパ) |
第5回 | 1998年 | スウェーデン | ストックホルム(ストックホルム建築博物館) |
第6回 | 2000年 | ブラジル | ブラジリア(ブラジリア大学) |
第7回 | 2002年 | フランス | パリ(ユネスコ本部) |
第8回 | 2004年 | アメリカ | ニューヨーク(コロンビア大学) |
第9回 | 2006年 | トルコ | イスタンブール(イスタンブール工科大学)+ アンカラ(中東アンカラ工科大学) |
第10回 | 2008年 | オランダ | ロッテルダム(ファン・ネレ工場) |
第11回 | 2010年 | メキシコ | メキシコシティ(メキシコ自治大学) |
第12回 | 2012年 | フィンランド | ヘルシンキ(オタニエミ文化会館) |
第13回 | 2014年 | 韓国 | ソウル(ソウル国立現代美術館) |
第14回 | 2016年 | ポルトガル | リスボン(グルベキアン財団) |
第15回 | 2018年 | スロベニア | リュブリャナ(カンカレフ・ドーム) |
第16回 | 2021年 | 日本 | 東京(オンライン+東京文化会館+六本木アカデミーヒルズ) |
第17回 | 2022年 | スペイン | バレンシア(バレンシア・ポリテクニク大学) |
DOCOMOMO Japan について
DOCOMOMO Japan は、2000 年に正式にdocomomo International の支部として設立されました。活動の中心として「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」を日本建築学会とともに選定し、それらの歴史的・文化的な価値を同定し、保存・再活用のための提案などを行っております。こうして記録されてゆく近代建築のリストは、今後ユネスコの世界文化遺産の登録につながってゆくものと考えられています。選定建築物の推薦は、docomomo Japan 会員であればどなたでも行うことができます。
また展覧会や建築物見学会、選定プレート贈呈式、シンポジウム、国際会議等を通じて、その価値を広く普及する活動を行っております。近年では、2015 年~ 2020 年にASEAN の近現代建築について、日本及び当該国の人々で考える相互貢献型の国際プロジェクト「mASEANa Project」を実施した他、2021 年には国際会議「第16 回docomomo国際会議2020+1 東京」を開催、"みんなのMOMO" をテーマに世界55 ヵ国から261 本の論文が発表されました。
加えて昨今、国内各地の建築物の取り壊し、再開発に対し、保存要望書や意見書の提出を行っています。
組織
- 代表理事
- 鰺坂徹(鯵坂建築研究所 代表)
- 副代表理事
- 頴原澄子(千葉大学 准教授)
- 理事
- 大内田史郎(工学院大学 教授)
- 理事
- 加藤雅久(居住技術研究所 代表)
- 理事
- 水上 優(兵庫県立大学 教授)
- 理事
- 岸 佑(国際基督教大学アジア文化研究所 研究員)
- 理事
- 坂田充弘(日本設計)
- 理事
- 川嶋 勝(日本大学 短期大学部建築・生活デザイン学科)
- 理事
- 藤木竜也(千葉工業大学創造工学部建築学科)
- 理事
- 林 憲吾(東京大学生産研究所 准教授)
- 理事・事務局長
- 玄田悠大(団体職員)
- 監事
- 田原幸夫(Heritage Design Associates 代表)
- 監事
- 佐野吉彦(安井建築設計事務所 代表取締役社長)
- 事務局
- 〒102-0074 東京都千代田区九段南3-8-13丸中ビル7階
office@docomomojapan.com
DOCOMOMO Japanへのお誘い
近代建築に興味と情熱をおもちの方なら、誰でも参加できる国際組織が DOCOMOMO Japan です。2000 年にブラジリアでの総会で正式に承認されて以来、国際本部との連携のもとで、日本の近代建築の記録・保存・評価・調査など、幅広い活動を行っています。専門家として、学生として、建築ファンとしての参加など、どのようなかたちでの参加も歓迎します。
DOCOMOMO Japan はこれまで日本の近代建築のリストを整備しながら、展覧会、見学会、シンポジウム、研究会、国際交流などを行ってきました。
また、年に 2 回 DOCOMOMO Japan News Letter を発行しています。こうして記録されてゆく近代建築のリストは、今後ユネスコの世界文化遺産の登録につながってゆくものと考えられています。こうしたリストを拡充しながら、今後の活動を幅広く、多様に展開してゆくために2018年1月にドコモモジャパンは一般社団法人として新たなスタートを切りました。
会員の種類と入会の手続きについてはこちらをご覧ください。DOCOMOMO Japanの活動は、以下の法人賛助会員にご支援いただいております。
<法人賛助会員(2025年2月末時点)>
朝倉不動産株式会社様株式会社ショーケーストーキョー様
有限会社 PANOF様(2025年度より)
武蔵野美術大学様
YKK AP株式会社様
(五十音順)

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